テーブルの下に潜む魔物

下半身は上半身に現れる!?

テーブルに座って、自分の姿が相手からどう見られているか考えて見ましょう。

いすに座って足を組むとどうしても体はどちらかに傾きます。そして傾いた姿勢は疲れるので何回も足を組み直すわけです。そうすると、たいていの方はひざをテーブルにぶつけますよね。そしてグラスを倒したり、ストッキングを破いたり…。自分の姿を美しく見せるには実はこの座り方がとても大切なのです。

椅子には深く腰掛けましょう。それから、テーブルとお腹の間はこぶしひとつくらいあけるのがよいとおもいます。この姿勢を維持するには下半身がとても大事なのです。

テーブルの下というのは他の席からも意外とよく見えてしまうものです。皆さんも気を付けましょうね。

香水はタブーか

食事のとき、香水はタブーか。

香水はヨーロッパが発祥の地とされています。肉や発酵食品〔チーズなど〕よく食べる地方では体臭が強くなる為、その臭いを花などの香りで誤魔化すために付けていたようです。

もともと海産物や穀類を主に食べていた、日本人には体臭といわれるものは少なく、香水をつける必要はないと思うのですが、今ではほとんどの女性が普段から使っていることと思います。

さて、華やかに香るこの香水、食事の場ではどうでしょうか。世の男性たちは華やかにおしゃれをした女性たちと食事をともに出来ることを待ち望んでいるのです。皆さん想像してみてください。ワインの試飲会ならともかく、ワインや料理の香りに邪魔になるからと化粧もせず、何も香らない、花も飾っていないような空間でワインと食事を楽しむことが果たして出来るのでしょうか。

私たち男性からしてみると少しも楽しくないはずです。華やかに香る女性の香水は花同様、その場を楽しく、優雅な雰囲気にしてくれます。決して事の邪魔になることはないでしょう。ただし、あまり強すぎる香りのものは敬遠されることもあるのでその辺だけご注意を。

 

会場に着いたらまず化粧室へ行くべし

会食やパーティーに招かれ、会場に着いたらまず化粧室へ行きましょう。

これは身だしなみを整え、確認することももちろんですが、食事の途中に席を空けることもなくなるからです。

特にフルコースなんかですと、食事のペースはほかの方たちと合わせますから、自分ひとり中座したことで、食事のペースが乱れてしまうのです。また、会話が弾んでいる時に席をはずすとなんかシラケちゃいますよね。しかし、お酒がすすんだりするとどうしてもいきたくなりますよね。

そんなときは、タイミングを見計らって中座しましょう。

今食べている料理を食べ終え、次の料理が運ばれてくる間とか、会話が少し止まった時とかがよいと思います。それから、化粧室へ行って気を付けたいのが化粧室内での喫煙。

女性はどういう訳か化粧室でタバコを吸われる方が多いようです。人前で吸いたくないからかもしれませんが、化粧室での喫煙のほうがよほど見苦しいと思いませんか。タバコの嫌いな人は、狭い部屋で吸われると、煙が中にこもるし、服に臭いがうつってとてもイヤみたいです。着飾る事だけに気遣うのではなく、そういう気遣いも大切ですよね。

えっ?食事の前からマナーはもう始まっている?!

はい。そうなんです。

『ある日貴女の手元に食事会の案内が届きました。日時を見ると2週間後。とりあえず特に用事も無かったので出席する旨の返事を出しておいたのですが,まだ先の事だった為、食事会のことをすっかり忘れていました。

そして当日。貴女は今夜食事会があることを思い出します。何を着ていくか、どんな靴を履いていくかまだ何も決めていません。あわてて洋服を決め、買ったばかりの靴を履き、電車に滑り込みます。

なんとか10分遅れで会場にたどり着きましたが、他の人たちはもう席について、貴女に冷たい視線を送っています。何とか愛想笑いでもって誤魔化し、いざ食事スタートと思いきや、最近少し太ってきていたため、はいて来たスカートがきつく、お腹を圧迫していて、思うように食事が出来ません。

あげくに、買ったばかりの靴が足に馴染まず、小指がズキンズキン…。気を取り直そうと化粧室へ駆け込み、ハンドバックの中を見ると入れておいたはずの化粧ポーチが無く……etc。』

どうですか。貴女にも一度はこのような経験があるのではないでしょうか。 段取り8分という言葉があります。準備さえしっかり出来ていれば8割方成功したようなものという意味ですが、マナーにおいても当てはまる教訓ではないでしょうか。貴女の隣の席で、さりげなく、美しく振りまわっている女性も実は何日も前からちゃんと準備をしているものなのです。

避けて通れないテーブルマナー

さて、貴女はテーブルマナーなるものを体験したことがありますか。

もしかしたら、高校時代に、または新入社員研修で、少々ご年配の方でしたら婦人会なんかで一度は経験があるのではないでしょうか。

で、どうでしたか?

そのときの感想は。私も以前、勤めさせていただいたホテルで、幾度かテーブルマナーの講師をさせていただいたことがあります。そのときのお客様の感想は?というと、

「自分の為になった」とか「とても勉強になった」というよりも、

「肩が凝った」「食べた気がしなかった」という意見が多かったことを覚えています。

お金を払って食事をするのですから、もっともな気持ちかもしれません。しかし皆さん、よく考えてみてください。テーブルマナーなるもの、ある意味一つの技術なのです。社会人として必要な一つの授業であり、勉強です。ですから、これは学ばなければ身につきません。と言う事は勉強すれば習得することが出来るのです。

以前にもお話しましたが、テーブルマナーは一度身に付けてしまえばもう安心です。食事のマナーはこのテーブルマナーなるものが基本中の基本です。しかし皆さん、勘違いしないでください。食事マナーが食事の目的ではありません。食事マナーは楽しく食事をする為の一手段にすぎません。目的は楽しい食事をする事です。

そしてこれは自分のためにあるのではなく、相手の為にあるのです。誰かが言ってくれそうで言ってくれない大切なこと、このコーナーでそっと教えちゃいます。