彼がその食事の時に請求された金額は なんと!9万7000円だったのです!!
内訳はこうでした。料理:15000円×2=30000円、グラスシャンパン:2500円×2=5000円、白ワイン:1800円×2=3600円、赤ワインボトル:これがなんと、46000円!、サービス料が合計金額の10%で8460円、消費税4653円で合計97713円。
どうですか皆さん。でもこれはけっしてお店側からぼったくられた訳ではないのです。
彼が予約したレストランは都内でも有数の有名レストランでした。そのようなレストランでは30000円を超えるようなワインはざらにあります。20万、30万なんてワインも決して珍しくありません。ただし、そのようなレストランでも1万円を越えないようなワインは必ずあるはずです。僕は彼に「で、そのワインは何だったの?美味しかった?」って聞きました。すると彼は「名前までは覚えてないけど、無茶苦茶美味かった」と言いました。
美味しい料理とワインで楽しい時間を過ごすはずがこんな悲しい結末になってしまった原因は、彼のレストランを利用する上での無知が原因だったと思わざるを得ません。彼は自分のおこずかいを把握し、身分相応のレストランを選び、ちゃんとワイン予算を言うべきだったのです。彼は赤ワインをおまかせで頼んでいました。通常、このようなグランメゾンと言われるようなレストランは、ある程度裕福な方、または会社の接待などで利用する事が多いと思います。ですから、レストラン側もそれなりのお客様、と言う前提で対応します。例えば、いかにも会社の社長風で地位もおありで、レストランの食事に精通している様なお客様がお一人2万円のお食事をされる様な時、1万円のワインをお勧めする様な事は先ずしないと思います。なぜなら、そのような一流レストランでの食事経験も豊富で、舌も肥えていらっしゃるようなお方に料理よりも安価なワインを勧めることの方がかえって失礼になると考えるからです。もちろん接待などで予算が決まっている場合はその中で収めます。僕も「お勧めワインはありますか」って訊かれた時は必ずそのお客様の年齢や風格、しゃべり方や同席される方との雰囲気や時には身に付けている腕時計などをチェックしてから相応のワインを勧めるようにしています。
phot:モンカイノ・デ・マンキューソ (スペイン)
今回、このレストランのソムリエが勧めたワインは、レストランの格式の高さ、、料理の値段とのバランス、クリスマスというシチュエーション、赤ワインにいたってはお客様からの「料理に合う物をおまかせで」という要望があったという事から見ても料金的には適当なセレクトだったと思います。
彼がらが飲んだ赤ワインは46000円という、安くは無いワインでしたが、決して高すぎたワインではなかったと思います。
後に彼に会った時、僕は彼にこう言いました。「レストランのスタッフって一日に何人ものお客を見てるんだよ。あの時のソムリエさんがキミを見て、(このくらいのお客さんならこのレベルのワインで)って考えて出されたワインが自分の思ってた値段より高かったって事は、それって嬉しい事じゃん!。何十万もした訳じゃないんだし。」(本音を言うと彼が飲んだワインが何だったかの方が気になるゴーポン)
彼はこう言いました。「うんんまぁ。それもそうだけどぉ。マジ、本当いい勉強させてもらった。 でもねぇ、何か納得できねんだよなぁ。」
まぁ、別れちゃったから仕方ないか。 とほほほ。 南無阿弥陀仏…
つづく