バーのマナーやたしなみ方についてお話しする前に、少しだけこの「Bar」 にかかわる歴史や由来についてお話しておきたいと思います。
人にお酒を商品として 提供する形態のもの「酒場」 がいつ頃からあったのかというと、紀元前18世紀、古代バビロニア王国で、粘土板に刻まれた、「ハンムラビ法典」に酒場に関する文献が残っていることから、この頃にはすでに酒場らしきものが存在していたことが分かります。
そこにはこんなことが刻まれていたそうです。「もし、ビール酒場の女がビールの代金を穀物で受け取らず、銀で受け取るか、あるいは穀物の分量に比べてビールの分量を減らした場合には、その女は罰せられて、水の中に投げ込まれる」なんとも怖い話ですね。また、古代エジプトでは紀元前14世紀頃のパピルス文書に 「ビールを飲ませる酒場で酔っ払ってはいけない」 などという文言が残っているそうです(酒場の文化史より)
もうすでにこんな時代からバーらしき酒場なるものがあったんですね。で、この「Bar」という名前が使われだしたのがいつ頃からかというと、今からおよそ200年前のアメリカらしいです。当時のいわゆる酒場ではビールやウイスキーを樽から計り売りをしておりました。
お客たちの中には酔っ払うと自ら樽に近づいていって勝手に飲む者が出てきました。これに困った酒場のオーナー達は,簡単に近づけないようにするため、酒樽と客席の間に横木〔バー〕を設置し、簡単に近づけないようにしました(そう、あの陸上競技に使うハードルバーと同じ意味です)。やがてそのバー〔横木)は 横板に形を変え、そこで対面販売するようになり、そういったスタイルの店をバーと呼ぶようになりました。