日本のバーの歴史2

しかし、当初は お酒の種類も少なく、そのほとんどが外国産の物に頼わざるを得ませんでした。その後、サントリー社がトリスという名のウイスキーを販売したところ、大変人気になり、トリス・バーの時代の幕開けとなりました。ご年配の方なら一度はこのトリスという言葉、聞いたことがあるのではないでしょうか。

その後、国産の洋酒も次々と発売され、カクテルブームへの拍車がかかり始めます。1970年にかけては、スナック、カラオケが全盛時代となります。ウイスキーのボトルキープが出始めたのもこの頃で、1980年初頭には、洋酒メーカーのキャンペーンもあって、低アルコールでフルーティーなトロピカルカクテルがブームとなります。

その後、甘口カクテルからドライなカクテルへと人気が移り、カフェバーが一世を風靡します。日本のバーはその後、このカフェバーなるものがさまざまな展開を見せ、1990年代には 本格的なオーセンティックバーや、少しカジュアルなスタイルのショットバーへと変遷を遂げ、現在に至っています。

 さて、 次回からはいよいよ バーのマナー編です。お楽しみに!

 

日本のバーの歴史

さてさて。

今回は日本でのバーの歴史について 少し触れてみたいと思います。

もともと日本のバーって言うのは外国との交通手段が 船舶中心であった時代に、港に立ち寄った外国の人たちを対象としたお店だったようです。

日本人を対象にした初めてのバーは明治43年に東京の日吉町(今の銀座8丁目あたり)に生まれた「カフェプランタン」というお店が最初だったと言われています。その後、バーは続出し、活況を呈するようになりますが、1923年の関東大震災で、バー業界は壊滅的なダメージを受けてしまいます。

しかし、 職を失ったバーテンダーたちは関西などへ移り、店を出すことになります。それが実は大阪でのバーの発展に一役買うこととなりました。

東京では震災後の復興期に再びバーが増え始めるのですが、第二次世界大戦が勃発し、再び東京のバーの灯火は消えることになります。

戦後のバーの元年は1949年であります。といいますのも、この年に全国で酒類販売が自由化され、バーがいたるところで生まれていくことになったのです。                                   

     つづく                                                                  

そもそもバーとは?

 バーのマナーやたしなみ方についてお話しする前に、少しだけこの「Bar」 にかかわる歴史や由来についてお話しておきたいと思います。

 人にお酒を商品として 提供する形態のもの「酒場」 がいつ頃からあったのかというと、紀元前18世紀、古代バビロニア王国で、粘土板に刻まれた、「ハンムラビ法典」に酒場に関する文献が残っていることから、この頃にはすでに酒場らしきものが存在していたことが分かります。

そこにはこんなことが刻まれていたそうです。「もし、ビール酒場の女がビールの代金を穀物で受け取らず、銀で受け取るか、あるいは穀物の分量に比べてビールの分量を減らした場合には、その女は罰せられて、水の中に投げ込まれる」なんとも怖い話ですね。また、古代エジプトでは紀元前14世紀頃のパピルス文書に 「ビールを飲ませる酒場で酔っ払ってはいけない」 などという文言が残っているそうです(酒場の文化史より)                                    

もうすでにこんな時代からバーらしき酒場なるものがあったんですね。で、この「Bar」という名前が使われだしたのがいつ頃からかというと、今からおよそ200年前のアメリカらしいです。当時のいわゆる酒場ではビールやウイスキーを樽から計り売りをしておりました。

お客たちの中には酔っ払うと自ら樽に近づいていって勝手に飲む者が出てきました。これに困った酒場のオーナー達は,簡単に近づけないようにするため、酒樽と客席の間に横木〔バー〕を設置し、簡単に近づけないようにしました(そう、あの陸上競技に使うハードルバーと同じ意味です)。やがてそのバー〔横木)は 横板に形を変え、そこで対面販売するようになり、そういったスタイルの店をバーと呼ぶようになりました。                                                                                                                         

 

      

      

スマートにたしなむバーマナー

皆さんこんにちは。
早いもので今年に入り、もう2ヵ月も過ぎてしまいました。年をとる毎に一日一日がとても早く感じます。
さて、昨年は女性の方のマナーを中心にお話をさせて頂きました。今年もそのあたりをテーマにして行きたいと思っておりましたが、今回はちょっとお休みを頂いて、久々に男性の方の為に酒場でのマナーについてお話したいと思います。それからバーでのお酒に関する知識についても少しばかりお話して行きたいと思ってます。
っていうか、しなければならなくなってしまいました。
といいますのも、実は昨年の暮れ頃に忘年会などで外で飲む機会がたくさんありまして(毎年そうなのですが)、町場のバーへ何度かおじゃましました。そこで他の男性客の立ち振る舞いにあ然としたと言いますか、???の光景があまりにも多かったのです。
若い方ならまだ目もつぶれますが、そうでない立派な立場にいらっしゃる方々のバーの使い方があまりにもカッコ悪かったのです。
“どげんかせないかん”(ど喧嘩ではありません)その想いが僕に火をつけてしまいました。
というわけで、今回からは「スマートにたしなむバーマナー」って事でお話して行きたいと思います。女性の方もぜひ読んでみて下さいね。    乞うご期待!

心に残るお客様

皆さんこんにちは。

今年も残すところ後、10日足らずとなりました。今年も私達のお店にもたくさんのお客様がいらっしゃいました。本当に有難く思います。私達のお店にお越しいただいたお客様、その多くは飛騨高山へ観光に訪れる方なのですが、およそ、3万人を超えるお客様にご利用いただきました。常連のお客様をはじめ、観光のお客様、地元の食事会など、さまざまです。年間に訪れるこれだけのお客様をすべて記憶にとどめておく事が出来れば良いのですが、私の頭ではそれはそれは無理なようです。しかしながら、これだけ多くのお客様の中で、初めてのご来店にもかかわらず、心に残る、忘れられないお客様という方々がいらっしゃいます。

今年も心に残るお客様が何組かいらっしゃいました。

その中でも特に印象に残っているお客様は小さなお子様がいらっしゃる、家族連れのお客様でした。ある日のランチタイム。その日は秋の連休で、あいにく店内は満席状態でした。待ちのお客様もちらほら出始めた頃、その家族連れのお客様は来店されました。待ち時間20分も過ぎた頃、ようやくそのお客様のお席が用意できました。しかし、時すでに遅し、そのお子様は待ちくたびれて今にも泣き出しそうです。「どうかお願い、静かにしてて」と祈りつつ、席へとご案内しました。するとどうでしょう、そのお子様は「待ってました!」とばかりに大声で泣き始めたのです。ご両親は勿論のこと、フロアスタッフも気がきでなりません。他のお席のお客様も少しイラつきだしました。スタッフもどうしたものかと困惑気味です。

その時です。

「ごめんなさい、子供が泣き止まないので、またの機会に出直します」

と言われ、そのご家族は早々と店を後にしたのです。20分以上も待った挙句、やっと食事にありつけたのに そのご両親は周りのお客様への迷惑を考え、何の不満もおっしゃらずお帰りになったのです。私は何と申上げて良いのか判らぬまま、頭を下げながらお見送りせざるをえませんでした。ほかのお客様に対してホッとした気持ちと、お帰りになったご家族に申し訳ないという気持ちで、言葉には出来ないシコリが残りました。

今でもそのご家族がお帰りになる後姿が眼に浮かびます。もう一度、必ずご来店頂ける事を願って止みません。

ところで皆さん、小さなお子様連れの方のレストラン利用についてどう思われますか。

私たちのレストランは観光地にあるという性格上、お子様連れのお客様にも何の制限も設けずご利用頂いております。しかし、残念ながら、この事が原因で苦情を言われることもしばしばです。本来、レストランなどの公共の場ではすべて大人のルールで動いているものだと思います。映画館やホテルも同じです。このような場所へお子様を連れて行かれるときは他のお客様に迷惑にならないように大人の方が気を配る事も大切なマナーだと思います。欧米の国々では公共の場に子供を連れて行くこと自体、タブーという考え方があります。中学生くらいまではあまりレストランへは連れてってもらえないようです。日本ではなかなかそういった考えが浸透していないのが現状です。実際、レストラン内で子供がはしゃいでいても、「走ると危ないよ」というのが精一杯です。それ以上のことは言いたくても言えないのが現状です。何とか親御さんに気づいて欲しいのですが、そのような気配りの出来る方は本当に少なくなりました。日本のレストランの現状を考えますと、欧米のようには行かないと思います。

ですからもっとレストランを利用してくださるお客様が、利用目的を超えて、歩み寄ることが出来ればもっとよい環境が出来上がるように思います。

「大人の方はより寛容に」、「お子様連れの方はもっと周りに気配りを」。

皆さんはどう思われますか。 最近、PTAの間ではモンスターペアレンツなる父兄が問題になっているようですが、この様な事が公共の場でもはびこらない事を願って止みません。

先程お話したお子様連れのお客様は、このような意味では、とても素敵な判断をなさったと思います。

この様な事は私たちのようなレストランにとっては永遠に解決できないテーマかもしれません。しかし何とか良い方向に向かうように日々勉強していく姿勢でいることが大切だと思っています。来年もお客様に喜んで頂けるように頑張りたいと思ってます。このコーナーは来年も続けて行く予定です。皆さんのお役に少しでもなればと思ってます。どうぞ宜しくお願いします。来年も皆さん良い年でありますように…。